「VTuberの中の人を押し出すべきではない論」のメモ

 

#「何か解決策があります!」「こういう問題点を発見しました!」という記事ではない。メモです、メモ。
#以下、データなどありませんので、すべてワタクシの妄想です。

 


◆VTを運営する企業側の事情

・企業の活動を考えてみる。
基本的には、①収益を上げ、②コストの削減をし、③新事業への展開をする。*余力があれば社会貢献する。
という流れになるだろうか。もちろん、会社によって目指すゴールは異なる。
企業にとってVTuberは、事業のひとつに過ぎない。そのため会社にとってコスト[お荷物]になり、収益が上がらなければ撤退、ということになる。

 

・どのようにして収益をあげるか。
「あまり投稿や配信はしないが、莫大な収入を得る人」は、ほんの一握り。ヒカキンくらいだ、そんなの。
「たくさん投稿や配信をして、しかもその平均収入が大きい人」がメインになる。
この条件を満たすような、VT運営企業にとっての「即戦力」は、次のようなバックグラウンドをもつ人々だろう。
声優・声優の卵(専門学校生など)・生主・動画製作者・歌い手……
これらすべての人々が、なんらかの形で即戦力になりうる。

 

・なぜなら、
*機材の調達や使い方の説明やセッティングをする必要がない
*キャラクター設定や簡単なマーケティングでさえもやってくれるかもしれない
*すでに一定のファン層を得た実績[評価]がある
(*もともとのファンすら取り込める可能性がある)(これは微妙だが……)
*配信上でコメントが荒れるなど、様々なトラブルにある程度対処できる
*前世で友達だった人は、頻繁にコラボすることでファンの囲い込みをすることができる

 

・こうした基本的な運営を自主的に行ってくれるため、
*営業活動に時間を割くことができる
*新事業や社会貢献などの施策を考える余裕が生まれる
などの運営上の余剰が生まれる(ような気がする)。

 

・そもそもVTの収益の上げ方が、
①広告による収入
②スパチャによる収入
③グッズによる収入
と、大まかに言っても3つしか存在しない。(本当はもっとあるはず。IP事業など。ただライバーは関与しないと思われる。)
この収入のシステム上、上記の即戦力が活躍しやすい環境なのではないか。
そう考えると、設定を守ったりする、一芸に秀でたVTは、(頑張った人が損をする、という精神論よりは)単純に不利な陣地で戦ってるね、という印象がある。設定を守る必要がない、という状態になったいま、設定に固執すると逆にコケてしまう可能性すらある。
(以上のことを一言でいうと、にじさんじというゲームチェンジャーが、状況を変えてしまった、ということだろう。横文字カッコいい。)

 

・まとめ。
設定を守る一芸に秀でたVTが不利な状況に置かれているのは、企業の事情と収益システムという背景があり、VTの設定を守るというリテラシーを持たない人が、多く流入したからではないか。

 


◆「VTuberの中の人を押し出すべきではない論」の内容

・基本的には、以下の2点を組み合わせたものではないか。

 

①素顔を暴く!
「あのVTは前世で子持ちって言われてたゾ。ヤリ*ンビッチ」みたいな論法(例が適当すぎる)。VT視聴者のピュアな倫理観を攻撃するもの。
(*筆者の雑感……「アイツには彼氏がいる」ってドキッとするけど、年頃の女性なら普通だよねえ……。でもそこから浮気とかNTRに走れば、なんとか活路が見出だせないだろうか?……え、そこまでVTに執着したくない?そっか……。)
ものすごくザックリ言って、「タイガーマスクの中の人って誰?」のような形でコンテンツになる[話題性が高まる=より優位になる]ので、とくに問題はないどころか、逆効果の場合もある。素顔に関する詮索は、インターネットの住民のネットストーカー的な欲望を満足させてくれる。

 

②内容がない・おもしろくない!
「生主はべらべら雑談してるだけで、ひとつも面白くないし、だいいち内容がないよな!スッカスカ!」(例が適当すぎる)
しかし、かつて声優ラジオに内容があったことが無いように(鷲崎健、盛り上がった回では「内容なんかなくて良いんだよ」と言いがち)、雑談に内容などないのだ。それで良いのだ。
論者に力量が足らず、内容が読み取れないという場合もあるだろう。変態たちにとっては、VTが立てるひとつの物音だって意味があるものなのだ。遺品に執着するかどうか、フェティシズムという概念を理解するかどうか。
つまり、結局は価値観の違いに帰着するので、あまり生産的な議論にならない。(これ、カップリングにおける「地雷」と似てはいないか。)

 

*恨み妬みそねみ・炎上商法
簡単に数字が稼げることに対する、恨み。あるいはそうした感情を抱いている人を煽って数字を得ようとする行為(筆者はこれを正当な行為だと思う。倫理的にはどうか知らないが)。
①と②で内容は稼げるので、あとはどれだけ煽り文句を入れることができるか、である。筆者はむしろ最近、これ系の議論をみると炎上商法を疑うようになっている。FUDってヤツ。アルファベットはカッコいい。

 


◆「VTuberの中の人を押し出すべきではない論」の効果

*何度も言うが、データはない。雑感。

 

*効果はけっこうあるように感じる。2つの陣営の溝をいっそう深める結果となっている。「カップリング地雷」と似たような平行線。
ただ、VTの表現内容にはあまり影響がなく、外野で喧嘩してる印象が強い。最終的に人格攻撃に至るヤツだ。
つまり、それって意味なくないか……?いや、炎上商法という意味では、効果があるとしても。「VTを良くしたい!」みたいなゴールには全く到達しない。

 

*建設的な議論をするためには、


①VTの表現内容をどうするかについて議論すべきだろう。(それってVTになるってことでは?当事者になってはじめてわかることも多い。)


②収益システムやビジネスモデルを構築し直し、設定を守り一芸に秀でたVTが活躍できる場を議論し、提供するべきだろう。

 


◆おまけ

・そもそも、きちんとした設定を守るVTと、生主系VTを比べるの、ヒカキンと永井先生を比べるようなものでは?
(2011年7月のヒカキンと、2019年のヒカキンを見比べれば、VTuber(というかネットタレント?)の可能性もあるかもね、という示唆は、しておこうと思う。たとえば、字幕の有無など。)

 

VTuberが外に広がるかどうか、持続するかどうかに筆者は興味はないが、原因が生主にあるとはあまり思えない……かも?
*徹底的な根回しの不足(ヤクザの手も借りよう、ような世界ではない。ヤクザみたいなやつはいるけど、大して金持ってないじゃん)
*ビジネスモデルとしての将来性のなさ
(*視聴者が若者ばかりでお金を持っていない。影響力のあるオッサンとかは、まずこの文化を理解することもできない(決め付け・暴論))

 


◆おわり

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。VT、意外と(?)まだまだ語ることあるのかもしれませんね~。