VTを文化の貯水池としてみる

*VT界隈は、様々な水源から水が流れてくる貯水池のようなものに思える。様々な場所からの供給を受けて成り立っている文化の謂い。流れと貯水池が合流する場所は、流れの上流の特徴がよくでるだろうし、流れ同士の合流点が複数あれば、いくつかの性質が混ざったようなみえかたをするだろう。

*この、あくまでも自分用の整理は、VTの源流や本質的な仕組みを見つけた、という誤解に対して、相対的な見方から理解し直すためのツールである。

 

*1.タレントの種類

1-A.YouTuber

Virtual YouTuberという言葉に、YouTuberはすでに含まれている。この点は当たり前すぎて、とくに指摘する必要もないように思える。しかし、キズナアイ(のチーム)が提案しなければ、そもそも参照点にすらならなかった。たとえば、ポン子もカゥルもそのコンセプトはYouTuberではなかった。この流れを調べるうえで注意すべきなのは、YouTuberの時点でかなりの多様性があるということだろう。(Ex.キズナアイ・おめがシスターズ……etc)


1-B.ブロガー

YouTuberの源流を考えるならば、ブログに到達する。現在のスタイルとなる前、2011年のヒカキンは、自身の動画を「ビデオブログ」と称していた。たしかに、日常で起こった出来事を3分ほどで語る、というスタイルはブログに似ている。2012年などにみられる、ヒカキンの怒濤の食レポ動画は、食べログという食に関するブログと重なる部分がある。音声という部分にこだわるならば、ケロログなどの音声ブログに繋げても良いだろう。


1-C.テレビタレント・お笑い芸人

一部のYouTuberは、テレビの文法を正確に守っているようにも見えるし、毛嫌いする人たちもいる。VTに関しては、たとえばねこますがテレビ的なものに挑戦していたし、Vさわぎなども重要な例だろう。そうした試みをプロが丁寧にやったものが、ガリベンガーVだと言えるのではないか。お笑い芸人とあだ名され、実際にいるお笑い芸人と比較されるVTもいる。


1-D.配信者・生主

そもそも、このカテゴリーも非常に多義的なため、分類が必要ではある。(イケメン/萌え声)雑談・歌い手・ゲーム実況など。YouTuberやブロガー、お笑い芸人ともかぶる部分が出てくる。ここでは長時間の配信、などの条件を付けても良いだろう。

 

1-E.ライター・インターネット文化人

たとえば、にゃるら氏やArufa氏。かなり珍しいものの、このフットワークの軽さもVTらしさだろうか。にゃるらは女性性を大事にしながらも、任意ラヂヲのパロディとアングラネタに集中していた。Arufaは逆に、女子高生という設定を微妙に生かしながら笑いに変えたりするネタの方向性が際立った。どちらも機材等のサポートを受けており、ライター(あるいは、一種のインターネットアイドル?)がこうした活動をするには、経済的背景も重要になるようだ。

 

1-F.エンジニア(気質の人たち)

この人たちがVTの技術的な基盤を引っ張ってきた。もともとは、MMDが主流であった2011年に、特別な経済的基盤がなくとも、モーションキャプチャーを成立させた人々が挙げられる。ミクをバリバリ踊らせていた人々というよりは、その技術的な面白さに着目していたエンジニア気質の人たちであった。こうした人たちが「なりたい自分になる」といった欲望を叶えるために、試行錯誤した結果としてのVT、という面は無視できない。みゅみゅ氏はこのラインの筆頭であろう。

 

1-G.イラストレータ

ガワをつくるコストがあまりかからない、という面が大きい。プロだけでなくアマチュアも多いが、VTになったのを機に仕事を貰おうとする血気盛んな人たちもいる。タレント業としての営業の結果、自分の欲望を複数達成した犬山たまきなどもいる。

 

1-H.動画製作者

すあだ・エイレーン・げんげんなどのネタ系(この3人でも方向性がだいぶ異なる)、PV系もいるだろう。映像学科にいる、映像業界で働くなどを含めればかなり大きくはある。


1-I.炎上・スキャンダル

主に芸能ニュースにおける内輪的なスキャンダル。嘘や流言と真実、半倫理的な行動と正義などがテーマ。

 

2.「演劇的なもの」全般に関わるもの

*演劇:
*声優(・俳優):

(クッキー声優あたりは、念のためここにいれておく。やみんは接近があった。)
*TRPG人狼(界隈):
*着ぐるみ:
*アイドル:あくあちゃんがめあに「私たちアイドルだから!」と突っ込む姿は涙なしではみれない。(会えるアイドルとしての地下アイドルとの親和性は高いだろう。)
*人形遊び

*プロレス

 

3.メディアの種類

*電話(の文化):声が重要視されるという点において。テレクラなども含む。
インターネットの顔を明かさず誰かと出会う性質と親和性が高く、流れを指摘することもできる。(ASMRなどの新しい音響効果は分類が難しいため、電話の系譜としておく。)

Ex.直接的な表現としての森中の電話。
*ラジオ(の文化):
*インターネット(の文化):匿名性や、スラングの多用など。掲示板からニコニコ動画への流れ。(著者が仮面といって騒いでる部分はここにあたる。あとは演劇。)(個人VTの100人くらいの配信は、インターネット黎明期の掲示板に近いものはないだろうか。)(淫夢やハセカラなどはスラングの一種として捉える。)
*両声類・ネカマ・声真似(界隈):
ジェンダーやキャラクターの混乱)

*ウェブサイト/生放送用のものなど:Youtubeニコニコ動画ツイキャス・こえ部・お絵かきチャット云々……

 

4.収入/お金の出どころの種類

*投げ銭:スパチャ、アマギフなど。
*グッズ購入:
*プレゼント:

*クラウドファンディング

*投資

 

5.いわゆる「ガワ」の種類

*MMD
*oculus
*live2D
*ギャルゲ/立ち絵:絵画やイメージの問題。
*アバター

 

6.観客や観客の行動の種類

*物語消費/キャラクター消費
*動画の切り抜き/動画製作
*ガチ恋

*ストーカー・ネットストーカー
*二次創作